大学院の授業「芸術学 IV」は、9月17日からこのサイトで開講されます。
シラバスに訂正を加えたものを掲げます。
訂正は主に、コロナ禍の影響によるほか、12月にアートテークで開催される私の退職展「Air Language program」の中での「河原温へのオマージュ」展示を取りやめたためです。
しかしながら、図書館で創設された「河原温ブックアート・コレクション」の目録作成に、この授業で着手します。
授業の場所は、図書館の《One Million Years 透明梁のなかの》(河原温+青木淳)のそばのラボラトリーでの授業を当初予定していましたが、感染対策により次のように変更します。
a このオンデマンドwebサイトを主たる教場とする。
b 時に応じてリアルタイムのZoom 授業も用いる。
c 各自が図書館に予約を入れて、担当する河原温のブックアートを調査する。
授業のねらい
河原温の芸術を多面的に研究します。とくに本学図書館で創設されたばかりの「河原温・ブックアートコレクション」の研究とアーカイヴ編纂作業を組み合わせた授業を行います。(尚、同コレクションは、One Million Years Foundation=河原温財団の多大なご協力により創設されたものです。)
到達目標
芸術の根源における「形象」と「言語」の関係を考察し、20世紀後半における「芸術作品」のありかたそのものの大きな「転回」を理解すること。
授業の展開計画
第1回: 「野外をゆく詩学」について/河原温について/「ブックアート・コレクション」とは/「32 Important Books」とは
第2回: 「野外をゆく詩学」第6節/《One Million Years 透明梁のなかの》(河原温+青木淳+平出隆)の成立
第3回: 「野外をゆく詩学」第6節/図書館既存資料中の「河原温」調査
第4回: 「野外をゆく詩学」第6節/web上のアーカイヴ化
第5回: 「野外をゆく詩学」第6節/Todayシリーズ、One Million Yearsシリーズ
第6回: 「野外をゆく詩学」第6節/I Got Upシリーズ、I Met、I Wentシリーズ
第7回: 「野外をゆく詩学」第6節/I Am Still Aliveシリーズ
第8回: 「野外をゆく詩学」第6節/目録の構成/日本時代とニューヨーク時代/各シリーズの調査と把握
第9回: 「野外をゆく詩学」第6節/日本時代の作品研究
第10回: 「野外をゆく詩学」第6節/日本時代の言説、とくに「印刷絵画」論への考察
第11回: 「野外をゆく詩学」第7節/《CODES》《Pure Consciousness》について
第12回: 「野外をゆく詩学」第7節/《CODES》《Pure Consciousness》について
第13回: 「野外をゆく詩学」第7節/《CODES》《Pure Consciousness》について
実習課題
目録の編纂のためのデータ作成
web上のアーカイヴ構築への着手
評価方法
平常の出席とアーカイヴ編纂作業への参加度
テキスト
平出隆「野外をゆく詩学」(鶴岡真弓編『芸術人類学講義』所収)ちくま新書、2020年
参考文献
平出隆『言語としての河原温』via wwalnuts 叢書
平出隆『遊歩のグラフィスム』(岩波書店、2007年)
その他、授業内にて指示します。
準備事項
「野外をゆく詩学」は次の授業でも「web聴講」可
「言語芸術論」=第1節、第2節、第5節
「芸術基礎・ことば -1」=第3節、第4節
「芸術基礎・ことば -2」=第6節、第7節