初代門司駅遺構

 2024年9月4日、ICOMOS会長テレサ・パトリシオ博士よりヘリテージ・アラートが発出されました。

 初代門司駅遺構とは、2023年秋にJR門司港駅のそばで発掘された、現在の門司港駅より前の、最初の鉄道駅の遺跡です。1891(明治24)年に開業され、23年のあいだ存在していました。その価値は多くの考古学者、歴史学者などが世界遺産級と認める価値を有したものです。

 北九州市は2024年8月末日現在、市が計画しきた複合公共施設建設の遂行のためにこれを破壊しようとする姿勢を変えていず、日本イコモス国内委員会、文化財保存全国協議会などによる「初代門司駅遺構の保存を求める11学会合同要望書」(2024-05-21)を無視しつづけてきました。

 2024年8月22日の「門司の未来を考える会」では、「初代門司駅遺跡の内容と価値」(溝口孝司九州大学教授監修)の動画上映と平出隆「恩寵──初代門司駅遺構の出現」の講演がありました。

 2024年8月29日の「門司の未来を考える会」では、建築家でFMN代表の大室佑介が「公共施設の安全性と危険性」と題し、北九州市の設計図から津波高潮浸水予測区域にありながら災害対応設計がないことを具体的に検証しました。