これは通俗的ジャンル論(二元論、越境論、混淆論)を消去する過程で、絶対的な意識の発源としての「反省媒質」(レフレクシオンス・メディウム)のもつ「零地点」(インディファレンツ・プンクト)を介さしめる。このことにより、科学的直観と詩的直観とを、アナロジー関係ではなく、「神聖にも醒めきったポエジー」(ヘルダーリン)を介して同一化させる。ここからさらに、数学における「複素数」と出会い、数=言語の圏域を見出し、さらに方法としての「圏論」に遭遇する。
一次的な文献はヴァルター・ベンヤミン「ドイツ・ロマン主義における芸術批評の問題」である。
参考文献は逐次追加する。
平出隆「古代・種子・散文」『遊歩のグラフィスム』
ii 多方通行路について 二〇〇四
対談[書くことと同一性の崩壊]平出隆+古井由吉(「図書新聞」1993年7月31日)
対談[正岡子規、躍動する運動神経]岡井隆+平出隆
講演[詩を離れて詩を思考する]平出隆
1 2